
日本にはレオナルドに関するもので特筆するものはほとんどないのですが、この名古屋国際会議場に設置されている騎馬像に関しては少なからず興味をそそられる部分があります。
この騎馬像は名古屋市の市制100周年を記念して1989年に開催された世界デザイン博覧会に出展するため再建されたもので、制作には田中英道、麻生秀穂、蔭山正人、石塚明夫などが携わっています。
制作にあたってはかなり真剣に研究された痕跡があり、単なる興味本位の制作物とは趣の違う完成度の高い部分があります。
例えば騎手の人物の表情などもレオナルドのデッサン画を基に忠実に再現されており、レオナルドが実際に造り上げた騎馬像でもこのようなものではなかっただろうかと思わせる部分があります。また、馬のシャープな筋肉や人物の甲冑のデザインなどの細部もレオナルドのデッサン画をかなり参考としており、しっかりと時間をかけて取り組んだ痕跡が感じられて見応えのある作品となっています。
それにしても大きな像で、本当にレオナルドが造り上げた粘土の騎馬像がこのサイズだったのかと少し疑ってしまうくらいの巨大さです。 この像の前に立てばレオナルドがいかにこの騎馬像に打ち込んでいたのかがリアルに実感できることでしょう。
唯一残念な点はこの騎馬像が素材である強化プラスチックの色のまま展示されている点かもしれません。近年の技術ならば表面の塗装で本物の青銅製の風合いを再現することはそれほど難しいことでもないと思われますので是非とも予算と時間をかけて新たな名古屋の名所を育てて欲しいものです。
https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/records/48135#! レオナルドと西欧騎馬像の展開(三神弘彦 著)
レオナルドの騎馬像についての詳しいレポートがpdfでダウンロードできます。

