

最後の晩餐 復元図 青いルネッタ
世界で最も有名な絵画、最後の晩餐。
しかし、近年の修復作業で後世の加筆部分を全て取り除かれた最後の晩餐にはレオナルドの描いた部分がほとんど残されていないのも事実です。わずかに壁面に残されたレオナルド時代の描画層もレオナルドが描いた当時そのままの状態で残っている部分などありません。
また、壁面には使徒たちの人物の輪郭がかすかに残されているようにも見えますが実際には修復士による欠損部分を補った補筆部分でありレオナルドが描いたものではありません。もし、これらの補筆部分を全て取り除いた場合もはや壁面には何が描かれているのか判別はできないでしょう。レオナルドが描いた最後の晩餐はもはや永遠に失われてしまっているのです。
では一体レオナルドが描いた最後の晩餐とはどのようなものだったのでしょうか?
最後の晩餐は本当に傑作と言えるのでしょうか?

最後の晩餐復元図 部分1


最後の晩餐復元図 部分3
ユダ頭部の復元
復元された部分と周囲の色彩との違いは一目瞭然です。
緑色のマントの復元
原画ではマントの輪郭はかなり残されていますがその内側の詳細な描写の多くは失われています。
その為、細部の描写を復元する際には複数の複製画の情報を比較しながら作業を進めます。
紫の衣服の復元
原画に残されている顔料とレオナルドの時代の複製画で描かれている色彩が食い違う部分もあります。
ユダの胸元の紫色の衣装がその例で、この部分は複数の複製画では黄色で描かれています。
手の復元
手の表現や握られた皮袋の紐は精緻で繊細な表現であったことが複製画から確認できます。
最後の晩餐の復元 ユダ
レオナルドはモナ・リザを生涯手元に置き、加筆を繰り返していました。その繰り返し加筆された部分を丁寧に一つづつ取り除いていくとモナ・リザ本来の姿が浮かび上がります。
例えば左右に大きく加筆されたベールを取り除くと現在よりも細身のモナ・リザが姿を現します。
また、構図も大きな変更が加えられています。
本来、背景の列柱の描かれていた位置は現在よりももっと高い位置にありました。その柱の位置を一段下げ風景を手前に描き加えることでモナ・リザの奥行きの深い謎めいた風景描写が完成されています。
さらに肘掛け椅子も大きく加筆され本来の姿を失っています。本来はもっとシンプルで手には本を持っていた可能性すらあります。

モナ・リザ製作初期の復元図
下の図はラファエロによるモナ・リザのデッサン画です。
ラファエロのデッサンでは背景の柱は現在のモナ・リザに描かれている柱の位置よりかなり高い位置に描かれています。それは単純に柱の位置にこだわることなくラファエロの自由なアレンジで描かれているようにも見えます。しかし、私はラファエロは柱の高さに関しても正確にデッサンしていたと考えています。
ラファエロがモナ・リザをスケッチした時点ではモナ・リザの背景の柱はこの位置に描かれていたというのが私の見解です。





上の画像はモナ・リザのベールの加筆部分を取り除いた画像です。最終的に加筆部分を取り除かれたモナ・リザはかなり細っそりとした印象を受けます。先に挙げたラファエロのデッサン画に近いシンプルな描写です。
2012 /10/28 leonardoresearch.jp
左図 レダと白鳥の複原図
レダと白鳥も私の研究テーマの一つです。
この絵もレオナルドによって途中で放棄され完成には至っていません。レオナルドの弟子による多くの模写が残されていますが、レオナルド自身による関与は少ないと感じます。
もし、この絵が実際にレオナルドの手によって描かれていたならレオナルドの代表作になっていたでしょう。
当時のレオナルドは画家としての絶頂期にあり些細なデッサン画ですら超一流の芸術作品でした。
leonardoresearch.jp/ September 20 2015

私は三つのテーマを持っています。一つは最後の晩餐、二つ目はレダと白鳥、三つ目がアンギアーリの戦いです。
現在はこの三つ目のテーマ、アンギアーリの戦いを描いている最中ですが完成には相当な時間がかかると見込んでいます。アンギアーリの戦いの場合、構図や細部の描写に関する基本的な資料が圧倒的に不足しているためです。
そもそもレオナルドがこの絵を破棄した段階では戦闘場面の中央部分しか描いておらず、左右の部分に関しては大まかな構図が決まっているだけで細部の描写は手つかずのままでした。レオナルド自身どのように描くのかを決定してはいなかったのです。
そういった絵を復元するにはもはや完全な想像でしかありません。レオナルドならどう描くのか?
レオナルドに対する理解の深さが問われるアンギアーリの戦いの復元。この絵を完成させることが私の最終目標です。
アンギアーリの戦いの向かい側に描かれるはずだったカッシーナの戦いにも強い関心があります。
左の図はミケランジェロのデッサン画を元に壁画に描かれた場合を想定して復元してみたものです。
デッサン力に関してはミケランジェロの形を捉える感覚が圧倒的です。
中央人物の完成
ミケランジェロの場合、筋肉の美しさに関してずば抜けた感覚を持っています。単純に正確だとか描写が上手いとかといったものではなく見た目の美しさを追求しています。
この筋肉のもつ美しさを追求する鋭い感覚はこのデッサンが描かれた時期に頂点に達しており、これより以降時代が下がるごとに徐々に様式化してしまい輝くようなきらめきを失っていきます。
leonardoresearch.jp/ October 02 2016


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