

アンデレも壁画の状態はその他の使徒達と同様、微かな断片が点在しているだけで何かを特定できるようなものは壁面には残されていません。
僅かに右目周辺と眉の上に描画層が残されている部分もありますが、表情を再現できるほどの量ではありません。いつものように顔の輪郭も再現されていますが、それを決定づける確たるものが壁面にあるわけではありません。また、アンデレの豊かな顎髭も描かれていた場所にはむき出しの壁面が見えているだけで、大まかな輪郭を特定することスラできません。
修復以前の最後の晩餐は特にこの三人の周辺が画面が暗く、何が描かれているのかほとんど分からない状態でした。
現在では細部に信憑性を疑う部分はありますが、概ねレオナルドが描いた範囲を特定することはできているため以前に比べれば格段の進歩があります。
アンデレ頭部の復元。
現在の壁面にアンデレを再現できるだけの情報は残されていませんので複製画の情報を基に復元せざるをえません。
壁画でのアンデレの耳の位置は少し左にずれた位置で再現されているように見えます。
緑色のマントの復元。
概ね壁画の輪郭に沿って再現していますがアンデレの左側、小ヤコブとの間のアンデレの肩の部分は壁画では高い位置までマントとして再現されていますが、実際はもう少し下の位置になります。
手と黄色い衣服の復元。
アンデレの襟元周辺は意外に描画層が残されている部分があり、胸のブローチの位置などは特定することができます。
しかし、ブローチの下の衣服のシワは壁画では波打ったような曲線的な描写で再現されていますが、複製画ではこの部分はやや直線的な描写となっており、違いがあります。
手の部分に関しては周辺に緑色の描画層が点在しているため位置の特定に関しては概ね間違いはないでしょう。


ジャンピエトリーノの複製画ではアンデレの豊かな顎髭の描写は細かく柔らかな印象がありますが、ヴァチカンのタペストリーではアンデレの顎髭は陰影の濃い描写で彫刻的な立体感が感じられるもので両者の表現にはかなり違った印象があります。
こういったレオナルドの白髪の髭を彩色した実例が存在していないのでどのように復元するのかは大いに悩む部分になります。

現在の壁画の状態
壁画ではテーブルクロスの左右両端に紺色で刺繍された文様が描かれていますが、ヴァチカンのタペルトリー、ジャンピエトリーノの複製画の両方でこの文様は描かれていません。
おそらくこの文様はレオナルドが描いたものではないでしょう。
フィンガーボウルとワインの入ったコップの復元。
大皿の奥には小皿が描かれています。
魚が盛られた大皿、オレンジ、ナイフの復元。
パンの復元。
塩壺、水差しの復元。
http://leonardoresearch.jp/ September 13 2014